心筋炎・心膜炎

心筋炎・心膜炎

2017年11月6日

心筋炎は、心臓の筋肉(心筋)に発生した炎症です。心筋組織に何らかの原因により炎症が起こることで、心臓のポンプとしての働きが低下したり(心不全)、危険なリズム異常が発生したりして(心ブロックや致死的不整脈)、生命や生活を危険に曝すことになります。心筋炎は怖い病気のひとつです。いままで元気で生活していたのに、かぜ症状を契機に数日後には突然胸痛に悩まされたり、心不全を起こしたり、さらにはショックを起こしたりします。最悪のケースでは死亡することもまれにあります。心臓突然死の有力な原因のひとつが急性心筋炎です。 
急性心筋炎や急性心膜炎の原因となるウイルスは、かぜや胃腸炎などを起こす病因ウイルスと同じものが多いことが知られています。最初は喉の痛み、咳、発熱などですが、やがて胃のむかつき、腹痛、下痢、筋肉痛、全身倦怠感などの消化器症状や感染症としての全身症状が出てきます。その後、不整脈様、急性心筋梗塞様、そしてショックを伴う重篤な心不全状態、突然死といった様々な病態をきたします。この病気は子どもから健康な成人、高齢者まで、誰でも罹る可能性があります。かぜ症状から胸の異常を感じたり、不整脈を感じたり、あるいは極度の頻脈や徐脈に気づいたら早期に専門の医療機関を受診することを勧めます。
急性心筋炎の検査は採血、心電図や心エコー図検査です。